石塚左玄の食養
1. 食本主義 「食は本なり、体は末なり、心はまたその末なり」と、心身の病気の原因は食にあるとした。
2. 人類穀食動物論 人間の歯は、穀物を噛む臼歯20本、菜類を噛みきる門歯8本、肉を噛む犬歯4本なので、人類は穀食動物である。
3. 身土不二 居住地の自然環境に適合している主産物を主食に、副産物を副食にすることで心身もまた環境に調和する。
4. 陰陽調和 当時の西洋栄養学では軽視されていたミネラルのナトリウム(塩分)とカリウムに注目し、さらにそのバランスが崩れすぎれば病気になるとした。
5. 一物全体 一つの食品を丸ごと食べることで陰陽のバランスが保たれる。「白い米は粕である」と玄米を主食としてすすめた。
桜沢はナトリウムとカリウムの量と陰陽論をヒントに、食品を「陰性」「中庸」「陽性」に分類した。もとが中医学ではないため、この分類は中医学の陰陽論に基づく分類とはかなり異なる。具体的には、産地の寒暖や形而上の特徴から牛乳・ミカン類・トマト・ナス・ほうれん草・熱帯産果実・カリウムの多いものなどを「陰性」とした。玄米・葛粉(くずこ)は「中庸」、塩や味噌・醤油・肉などナトリウムの多いものは「陽性」とした。
さらに、陰陽思想を食のみならず、生活のあらゆる場面で基礎とすべく、万物を陰と陽に分類する無双原理という哲学を提唱した。そして、この独自の哲学を含む食生活運動へと発展させた。宗教学者の島薗進はエコロジー運動とよく似た考えや、宗教的な敬虔さを含んだ日本独自の思想が20世紀初頭にも存在していたという指摘をしている
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